ねぇ、とてもおかしなことがあったの。
私の愛すべきグリルドチーズ。 忘れた事なんてないわ、片時も。 グリルドチーズに勝るモノなんて、この世には存在しないもの。 まあ…、創作活動している間は、一瞬、薄れる事はあるかもしれないわ。 一瞬よ、ほんの一瞬だけ。
でも、この前はすっかり消え失せてしまっていたの。 グリルドチーズだけじゃないわ。 私の中から全てが吹っ飛んでしまっていたの。 音までもが何者かの手によって、さらわれてしまったかのように。 ああ、全てがサイレント・ムービーのように静まり返っていたわ。 真っ白な世界は沈黙したまま、ざわめいていたの。 そう、ざわめいていたのよ!
え? 私の言っていることがよく分からない? 安心して、私もよく分かっていないの。 大丈夫よ。
でも、これだけははっきりと言えるわ。 モールさんが私の前に現れた、あの瞬間、あの時。 あらゆるモノが私の世界から、確かに消滅したわ。 モールさんだけを残して。 |