おはよう、ダーリーン。 そう挨拶すると、妻の方からも”おはよう”、と返してくれた気がした。
聞いてくれ、ダーリーン。 この前、絵の出展依頼を申し込まれたと言ったろう? 出展して早々、俺の絵は大絶賛の中、即日直ぐ完売! と、そういうわけにも矢張りいかなかったが。 それでもダーリーン、俺の絵は結構評判がいいらしいぞ。 それを裏付けるかのように、大きな贅沢は出来ないが、収入も大分増えてきたんだ。
妻の眠る裏庭で、俺は彼女に話しかけ続けた。
ダークも、彼も元気でやっているよ。 早いものだな。 もう直、大学生だ。 君に似たのかな。 彼はとても優秀な子に育った。 家の事もよくやってくれているよ。 彼は彼で忙しいようで、ここのところ会話することも大分無くなった気もするが。 しかし、寝食も忘れて絵に没頭している俺を気遣って、よく食事を用意しておいてくれたりするんだ。 彼の進学の為にも、俺はもっともっと頑張らねばならんな。
彼女はにっこりと微笑んだ。
”それはそうよ、私達の息子ですもの。 あなたは私の自慢の夫で、ダークも私の自慢の息子よ。 でも二人とも、あまり根を詰めすぎて無理をしたりしないでね。 私はこれからもずっとあなた達を見守り続けているわ。”
ありがとう、ダーリーン。 息子の為にも、君の為にも、そして自分の為にも俺はもっともっと頑張るよ。
妻と会話しながら俺は益々そう思った。 しかし何故だろう。 心のどこかが、とても寂しいんだ・・・。 |