カサンドラが婚約した。 相手はあのドン・ロサーリオだ。 彼に関しては、正直あまりいい噂を聞かない。 実際会った事もあるが、とんだ男だ。 今すぐにでも、この婚約をぶち壊してやりたい。
・・・しかし俺は売れない絵描き。 相手はあのゴス家のご令嬢だ。 しかも亡くなったとは言え、俺は妻もある身。 息子も居る。 わが息子ながらとても優秀な子に育った。 彼は恐らく内心では大学を希望しているだろう。 進学費用の事も考えねばなるまい。 しかし、絵筆が進まない。 気が付けばカサンドラの事ばかりを考えている。 父親としても俺は実に情けない存在だ。 こんな俺が、彼女に愛を告白する資格なんてあるのだろうか。 |