「チャドとベルっていうんだ。
飯あげると、ベルが速攻で走ってくんの。
チャドは自分のしっぽ追い掛けまくったりしてて、
フラついたりすんだよ。」
リリスの家で子犬を貰ったらしい。
さっきから楽しそうにリリスが話してる。
「今度、写真見せてやるよ。
マジ、面白ぇんだ。」
ありがとう、と俺が答えると、リリスの表情から急に笑顔が消えた。
「どうしたの?」
「え、いや、その・・・。」
「何?」
「あの・・・。
金髪野郎の事、なんだけどさ、」
金髪野郎?
誰だっけ?
何の事かよく分からなかった。
「昨日みたいな真似、二度とさせねぇから。」
「ああ、ジャスティン?」
昨日、と言われて思い出した。
今日みたいに
ウッドランドパークでリリスと話していたら、突然、彼に絡まれたんだっけ。
すっかり忘れていた。
だけれど、リリスには、ジャスティン?誰だ、それ?と逆に訊き返されてしまった。
「あれ?
違ったっけ?
昨日の。
リリスのお姉さんのボーイフレンド。」
「それ、違う。
ジャスティンじゃなくって、ダスティン。
ダスティンっつーんだよ、アイツ。」
「そうだっけ?
間違えた。」
俺がそう答えると、金髪野郎の名前なんざどうでもいいけどさ、とリリスは付け加えた。
どうやら責任を感じているみたいだった。
「気にしてないから、大丈夫だよ、リリス。」
突然だったから、確かに驚きはしたけれど。
さっきまで忘れていたくらいだから。
それに、リリスが責任を感じる必要なんて、どこにもないから。
「マジで?
気にしてねぇの?」
「うん。」
俺は笑って答えた。
それでも、でも・・・と彼女は何かを言いたげだった。
「気にしているように見える?」
俺の質問にリリスは、YESを返した。
本当に気にしていないんだけれどな。
「何か、いつもと違う感じがすっから・・・。
話してる時・・・。」
ああ、それでか。
自分ではいつも通りにしていたつもりだったし、気が付いてもいなかったけれど。
リリスには違和感を感じさせちゃっていたんだな、って思った。
それで、俺が気にしているように見えたんだなって。
「違うよ、リリス。
勘違いさせちゃってごめん。
本当に気にしてないんだ。
考え事してた。
でも、昨日の事とは全然関係の無い事だよ。
だから、心配しなくていいよ、リリス。」
「考え事?
何か、悩んでんのか、ダーク?」
「そうじゃないよ。
考え事というか、計画、かな?」
本当は、父さんに相談してから、リリスに言うつもりだったんだけれど。
リリスの不安そうな表情を見て、俺は計画を話す事にした。