夜更けにドンから電話があった。
今が私にとって大事な時期なの。
電話してくるなんて一体何考えてるの、この男。
「ディナの声が聴きたくてね。」
反吐が出るジョークね。
それとも本当に頭が腐ってんのかしら。
そのまま無言で電話を切るつもりだったけれど。
馬鹿だけれど、察しはいいのね。
慌てて本題へと入ったわ。
「
ダウンタウンでニーナを見掛けたよ。」
「・・・それで?」
「ニーナの方は、俺には気づかなかったけれどね。
ディナ、君の心配にも及ばないみたいさ。
俺はもう既に、ニーナのハートには住んでいなかったよ。
残念な事にね。」
何が残念な事によ。
本当に頭が腐っているわ。
そう考えながらも、私はニーナの
ダウンタウンでの様子を、黙ったまま聞き続けた。
そう。
帰ってこないと思っていたら。
ニーナの心配などは別にしていない。
彼女がどうなろうが、私には関係のない話。
だけれど。
失恋の痛手を、男遊びで補おうだなんて。
愚の骨頂だわ。
愛がどうのと喚いていたくせに。
一体、どこまで哀れな女の真似をすれば気が済むの?
本当に馬鹿で哀れな女に成り下がりたいの?