知らない男はホテルに置いて、わたし、家に帰ったわ。 お金至上主義の、あのがめつい女。 家に居なくて、せいせいする。
でも、一人になると、彼の事が頭にチラつくの。 彼の顔、声、仕草。 そしてわたしに触れる時のあの優しい目、心地よい指先、甘い吐息。 今まで彼と過ごしてきた、情熱的な時間の数々。 それこそ悲しいくらいの鮮明さで蘇ってくるのよ。 打ち消したくて、その度に頭を振ってみるけれど。 消えてはまた現れる。 そして決まって、その後には激しい絶望感とどうしようもない怒りがこみ上げてくるの。 それの繰り返しだわ。
ああ、もうこんなの耐えられない。 わたしはシャワーを浴びて、思いっきりドレスアップしたわ。 ほら見てよ。 わたしのどこがあの女に劣っていると言うのよ。 あんなセンスのなさそうな丸眼鏡女のどこがいいって言うの? いい年して、髪型だって意味不明だわ。 わたしの方が全然、魅力的じゃない! それなのに、あの女の方を選ぶなんて。 きっとどうかしてるのよ。 そうよ! ドンもディナもカサンドラも、みんなみんな、どうかしてるんだわ!!
わたしはもっともっと愛されるべき女性よ。 あらゆる男がわたしの虜になるの。 それくらいの価値が、わたしには十分すぎるほどあるわ! |