ロビンの話を聞いて、わたしはすぐにドンに電話を掛けた。
ロビンの話だけじゃ信用できないわ。
それに、本当にあの女の結婚式があったとしても、相手が誰なのかまでは、はっきりしなかったし。
でも、聞く必要なんてないわ。
彼のはずがないもの。
別に確かめようと思ったわけじゃないわ。
ただ、ただ彼の声を聴きたかっただけ。
だけど、彼は電話には出なかった。
気付くと、わたしはゴス家へと向かっていた。
そこに、ディナが居た。
信じているのなら。
愛し合っていると思っているのなら。
彼の家に行けばいいじゃない。
なぜここに確かめに来るのかしら。
ディナはバカにしたように言ってきたわ。
あんな、お金しか信用できないような女。
あんたなんかに言われなくても、彼の家に行くわよ。
きっと彼はいつもみたいに、愛しいニーナ!って微笑みながらわたしを出迎えてくれるわ。
だって、わたし達の愛は本物なのよ!
だけど。
彼の家に灯はなかった。
きっとまた仕事で忙しいんだわ。
わたしは彼の家の前で待ち続けた。
何十回ともなく、彼の携帯の番号をリダイヤルした。
その度に、無情なアナウンス音が電話口から流れて来た。
いつまでたってもドンには繋がらない。
彼の仕事先にも電話してみたわ。
「ドン・ロサーリオでしたら、暫く休暇に入っていますよ。
休暇理由、ですか?
こちらは受付ですので、なんとも・・・。
ご用件でしたら、伝言をお預かりしますが。」
頼りのない受付の人にイライラしながら、わたしは口早に言った。
戻ったらすぐに電話をくれるよう彼に言っておいてって。
それから、彼がよく行く
ダウンタウンの
P.U.R.E.にも行ってみたわ。
もしかしたら、久し振りの休暇ということで、息抜きをしているのかもしれない。
きっと、きっとそうよ。
けれど、ここにも彼の姿はなかった。
いよいよわたしは絶望したわ。
彼は、ドンは、わたしを裏切ったの・・・?
ううん、違うわ、そんなわけないじゃない。
彼が愛しているのはわたしだもの・・・。
「君、1人なのかい?
よかったら、一杯おごらせてもらうよ。」
カウンターでお酒をあおり続けていると、色んな男に声を掛けられたわ。
これで、何人目かしら。
彼のあのうっとりするような声とは、似ても似つかないくせに。
「あなた、わたしとヤりたいの?」
追い払うつもりで、わたしは目も合せずに言った。
だけれど、その男は驚きもせずに笑ったわ。
「なかなか面白いね、君。」